高度な保護機能の有効にした時の回避策

高度な保護機能を有効にした時、自作のスクリプトでさえ機微情報へのアクセスを許可できなくなりました。

というわけで、高度な保護機能を有効にしていないアカウントを経由することで回避する設定方法を書いておきます。

もちろん、高度な保護機能を有効にしないという手もあります。が、せっかく新しく作ってくれた保護機能なのでメインで使うアカウントでは有効にしておいた方がいいかなと思います。

1. Googleアカウントを新規作成する

インポート専用のGoogleアカウントを新しく作成してください。
ポイント:このアカウントはインポート専用にして、他の用途で使用するアカウントとは分けておくことをお勧めします。
注意:「高度な保護機能」は有効にしないでください(デフォルトでは無効です)。

2. アプリパスワードを取得する

作成したGoogleアカウントで「アプリパスワード」を発行します。
アプリパスワードとは?
2段階認証を有効にしたGoogleアカウントで、2段階認証に対応していない特定のアプリやサービスに安全にログインするためのパスワードです。用途別に作成することができ、自由に追加・削除ができます。漏洩などの問題が発生したときはアプリパスワードだけを削除してアクセスできないようにすることができます。

  1. Googleアカウントにログインし、アカウントの設定を開きます。
  2. 「アプリパスワード」を検索し、設定ページに進みます。
  3. 「アプリ固有のパスワードを新規作成するには、下にアプリ名を入力してください...」に適当な名前を入力し、「作成」をクリックしてください。
  4. 表示されたパスワードを控えておきます(後で使います)。

注意:アプリパスワードは一度しか表示されません。ウィンドウを閉じてしまった場合は新しく作成してください。
ヒント:このパスワードは保管しておく必要はありません。この後の設定で入力後は忘れて構いません。

3. インポート先Gmailでメール読み込み設定をする

実際にメールをインポートしたいGmailアカウントで、手順1で作成したアカウントのメールを読み込む設定を行います。

  1. インポート先のGmailにログイン。
  2. 画面右上の歯車マーク(設定)→「すべての設定を表示」をクリック。
  3. 「アカウントとインポート」タブを選択。
  4. 「他のアカウントのメールを確認」→「メール アカウントを追加する」をクリック。
  5. ポップアップで、手順1で作成したGoogleアカウントのメールアドレスを入力し「次へ」。
  6. 「Gmailify でアカウントをリンクする」または「他のアカウントからメールを読み込む (POP3)」のどちらかを選択します。
    Gmailifyでリンク(おすすめ):
    ・1つのGoogleアカウントのみリンク可能。
    ・複数アカウントをインポートしたい場合はPOP3を選択してください。
    手順:
    1. 「パスワード」にアプリパスワードを入力し「次へ」。
    2. 「Gmail とのリンクが完了しました」と表示されたら「閉じる」。
    POP3で読み込む:
    ・インポート時に付けられるラベルは引き継がれません。
    手順:
    1. 以下のように設定します。
    ユーザー名 新しく作成したGoogleアカウントの「@」より前の部分(デフォルトでOK)
    パスワード アプリパスワード
    POP サーバー pop.gmail.com
    ポート 995
    取得したメッセージのコピーをサーバーに残す チェック不要(GmailへのPOP3アクセスでは使えない様です。)
    メールの取得にSSLを使用する 必ずチェック
    受信したメッセージにラベルを付ける 任意
    メッセージを受信トレイに保存せずにアーカイブする 任意
    1. 「アカウントを追加」をクリック。
    2. 「メールの送信もできるようにしますか?」は「いいえ」でOK。
    3. 「完了」をクリック。
  7. 「他のアカウントのメールを確認」に設定したメールアドレスが表示されていればOKです。

以上で設定は完了です。

インポート専用アカウントの方でGmailへEMLファイルをインポートするスクリプトを使用してEMLファイルをインポートしてください。
この設定により、自動でインポート先のGmailに取り込まれます。
高度な保護機能を有効にしていないアカウントを経由することで、一応EMLファイルをインポートするという目的は達成できました。
これで、しばらくは使えるでしょう。
以上。